辞書: ボス

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ボスとは

「偉い人」のことです。

権限委譲

まずドラッカーは権限委譲について説きました。

経営者の条件 p59より。

第二に、他の人間でもやれることは何かを考えることである。

(中略)

権限委譲が、自らの仕事をほかの人間にやらせることを意味しているとすれば、 それはそもそも正しいことではない。誰もが自らなすべき仕事をするために 報酬を払われている。あるいはまたよく説かれているように、 何もしないエグゼクティブこそ裁量のエグゼクティブであるから権限委譲が必要であるというならば、 それは意味がないというだけにとどまらない。不真面目である。

(中略)

通常使われている意味での権限委譲は間違いであって人を誤らせる。 しかし自らが行うべき仕事を委譲するのではなく、 自らが行うべき仕事に取り組むために他の人にできることを任せることは、 成果をあげるうえで必要なことである。

情報型組織

ドラッカーは最後期の著書「ネクスト・ソサエティ」において、 情報型組織について語っています。 p109より、

情報理論の第一法則によれば、あらゆる中継機が雑音を倍増しメッセージを半減させる。 同じことが、人のマネジメントをせず事業上の意思決定もしないマネジメント階層についていえる。 それらの階層は情報の中継機にすぎない。したがって、そのような階層は必要ないということになる。

昔はピラミッド組織で、報酬を減らさずに昇進させて「偉い人」になることが報酬でしたが、 今後はそれは意味ないよということです。

ティール組織

「ティール組織」という本を読みましたが、 その組織形態として特徴的なのが、「偉い人」を作らないということです。

ティール組織における助言システムは、以下のようになってます。

  • 意思決定の前に、関係者や専門家に助言を求める義務がある。
  • その助言は真剣に検討しなければならない。
  • しかしその助言を取り入れる義務はない。

そして、スタッフ組織は最小限にし、現場に尽くすことを求められています。 これらは全て「偉い人」を作らないためと考えると自分の中ではしっくりきます。

「偉い人」が組織をダメにする

これ「助言」自体が問題になってるけど、 自分としては「助言」のつもりが「相手を納得させる=承認が必要なもの」となっているのがマズいのかなと思いました。 先程の記事だと、知らず知らずのうちに、エンジニアが「偉い人」になって「承認する」という状況だったのかなと。

mixiの組織改編

この記事で挙げられているmixiの組織改編の話が面白いです。

ミクシィでは2012年に全社的に大規模な組織改編がされました。 従来のcomponent team-マネージャー構造のプロジェクト思考組織から、 feature teamでプロダクト思考な組織になったのです。

(中略)

これにより、従来の社内受託開発的な構造が一掃され、 マネージャーというポジションはほとんどなくなりました。 そして一気にプロダクト開発のスピード感が増し、オーナーシップが形成されていきました。

これだけの組織改編は劇薬だと思います。 ただ、それだけの価値はあると思っています。

参考文献