辞書: 内部統制

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内部統制とは

ルールでがんじがらめにすることです。

内部統制で不正が増えた日本IBM

日本IBMでは2004年頃から内部統制が厳しくなりました。 内部統制を進めれば進めるほど窮屈な会社になり、生産性は落ちました。

せめて内部統制によって不正は減ったのかというと、むしろ増加しています。 Wikipediaの「事件・ニュースと訴訟」にある通り、 2007年頃から事件が増えています。

内部統制で不正が増える理由

内部統制を進めるほど不正が起きる理由を説明します。

内部統制で不正が起きる理由を表した図

一番左が、内部統制を行う前の状態です。 円の内部は裁量の範囲を表しています。

この通常の業務の中で、何か不正が行われたとします。 このときに、裁量を小さくすることで不正が起こらないようにします。 その結果が中の図です。


中の図でも不正が起きると、さらに内部統制を進め、右側の図になります。 この作業を進めると、裁量が全くなくなり、すべてが機械的に行われます。

当然ながら、これは非効率以外の何物でもありません。 特に日本では、現場の優秀さが競争力の源であり、 内部統制をすることは、現場の力を削ぐのと同じです。 だから、内部統制をすればするほど、会社の競争力が落ちます。

間接部門の権力増大

内部統制は、もう一つの問題を引き起こします。 それは、間接部門の権力増大です。

間接部門は本来、みんなが共通に持っている負担を減らすことで、 間接的に現場を手助けする役割です。 しかし、内部統制によって、間接部門が上に立ってしまいました。

もし、現場が内部統制上は問題があるが、顧客のためになることをしたいとき1、 現場が取りうる方法は、「顧客を捨てて内部統制を取る」 「顧客を取って内部統制を捨てる」のどちらかしかありません。 もし後者を選んで、結果的に見過ごせない問題があった場合、 不正として厳しく追及されます。

生産性を上げるのが先

内部統制を機能させる方法があるとしたら、それは、生産性を上げることです。

生産性を向上するためには、まず「見える化」が必要です。 その結果として、ルールが明確になります。

ルールが明確になったら、そのルールは機能するかどうかを考えます。 曖昧なルールなら、ルールを明確化します。 逆にガチガチで使いづらいルールなら、ルールを簡略化します。

その結果、生産性の高い、必要不可欠なのルールが出来上がったら、 その会社は十分内部統制されていると言えるでしょう。

しかし、そのためには何年も地道な努力が必要です。 それが出来ない会社なら、内部統制をしないほうがまだマシです。


  1. システム開発で言えば、契約締結前に開発を開始することなどが該当します。 ↩︎

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