ラストムーバー・アドバンテージとは
「先行者利益」の逆です。
元ネタ
元はZERO TO ONEにあります。
ファーストムーバーアドバンテージ、先手必勝とよく昔われる。 市場に最初に参入すればライバルのいない隙に大きな市場シェアを握れるという意味だ。 それがうまくいくこともあるけれど、先手を打つのは手段であって目的ではない。
(中略)
少なくともこの点に関していえば、ビジネスはチェスに似ている。 チェスのグランド·マスター、ホセ·ラウル·カパブランカはこう言った。 勝ちたければ「何よりも先に終盤を学べ」。
例としてチェスを挙げていますが、将棋も同じです。 いくら序盤が上手でも、終盤がヘボでは勝てません。 終盤が弱いと呼ばれる棋士もいますが、 あくまで「トッププロの中で比較して」弱いというだけで、 一般の人と比べたら遥かに終盤は強いです。
ちなみに、日本語版ではこの章のタイトルが「終盤を制する」となっており、 分かりやすいです。
実証されている
その時はまだ「こういう考え方もある(正しいと思うけど)」くらいだったんですが、 この考え方は実データがあるようです。ORIGINALSという本で見つけました[^1]。 No.2152(Kindle) 「イノベーターかフォロワーか――ビジネスの優位性」に以下のように書かれています。 (漢数字→アラビア数字のみ変更)
ある研究で、マーケティングの研究者ピーター·ゴールダーとジェラ·テリスは、 「先発企業」と「後発企業」の状況を比較した。先発企業とは、 いち早く行動したパイオニアであり、 ある製品をいちばん最初に開発あるいは発売した企業だ。 後発企業とは、開発や発売の開始が遅く、 先発企業が市場を形成したのを見届けてから参入した企業だ。 30以上の異なるカテゴリーにおいて何百ものブランドを分析したとろ、 ゴールダーとテリスは、失敗の確率に圧倒的な違いを見いだした。 先発企業の失敗率は47パーセント、そして後発企業はわずか8パーセントだったのだ。 先発企業は後発企業よりも約6倍、失敗率が高かったことになる。 先発企業は、生き残っても、平均10パーセントの市場を占有するのみで、 対する後発企業の占有率の平均は、28パーセントだった。