人事とは
組織において、人の処遇や採用を担当する部署のことです。
人事の失敗は本人の問題ではない
チェンジ・リーダーの条件 No.2709あたり。
これらのプロセスをすべて踏んでも、人事の失敗はなくならない。 しかも、決してリスクがなくならない種類の人事がある。
(中略)
ある人間が、新しい環境に向いているかどうかを事前に知る方法はない。 後知恵でしかわからない。したがって、昇進や異動がうまくいかなかったときは、 ただちに再異動させる必要がある。「私が間違った。直すのは私の責任である」 と考えなければならない。
間違った人事をされてしまった者を、そのままにしておくことは温情ではない。 意地悪である。もちろん辞めさせる理由はない。一流の技術者、一流の分析専門家、 一流の販売部長は、つねに必要である。もっとも妥当な解決案は、 以前のポスト、あるいはそれに相当するポストに戻すことである。 この方法は、ほとんどうまくいく。
人事に失敗したときに、その本人が「自分がダメだったから」と考えなくていいんですね。 「人事が正しいプロセスを踏んで決定していない」か、 「正しいプロセスを踏んで決定したが、たまたまその人に合わなかった」だけ。
解雇の条件
「現代の経営(上)」No.2755(Kindle)より、
また、常に二流の仕事ぶりしかできない者を異動させよということは、 容赦なく解雇せよということではない。 誠実につとめてきた者に対しては、企業の側に道義的な責務がある。
しかもマネジメント自体が、意思決定をなすべき機関の常として、 間違いを免れることができない。間違って昇進させ、 その後昇進させるべきでなかったことがその仕事ぶりから明らかになった者を 解雇することはできない。満足な仕事ができないのは、 その者だけの罪ではないかもしれない。あるいは、 時間の経過とともに、仕事に必要な能力がその者の能力を超えてしまったのかもしれない。
同じく「現代の経営(上)」No.2864(Kindle)より、
解雇の条件を厳しくしすぎて、ほとんど解雇できないようにしてもならない。 逆に身の安全ばかり気にするようにさせてもならない。 それでは何も考えられなくなる。進取の気風は失われ、 イノベーションは行えなくなり、新しいことに手を出せなくなる。
自分は解雇規制の緩和に賛成ですが、 あくまでそれは「解雇の条件が厳しすぎる」のが原因で、 いつ首にされるか分からないところで働きたくないですね。