辞書: 成果主義

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成果主義とは

広く誤解されているものです。

結果で報酬を決めることではない

成果主義は「結果で報酬を決めること」と誤解されています。

ですが、ドラッカーは報酬のみで管理することを否定しています。 「明日を支配するもの」のp23に次のような記述があります。

すでに五〇年も前から、金銭だけで動機づけすることはできないことが明らかになっている。 報酬に不満があれば、やる気は失われる。だが報酬への満足は、 四〇年前にフレデリック・ハーツバーグが、 その著書『仕事の動機づけ』(一九五九)において名づけたように、 衛生的要因の充足にすぎない。

成果は結果でなく出発点

では、ドラッカーは「成果」をどのように定義しているのでしょうか。 それはこの後、p24に書かれています(太字は引用者)。

したがって、とくにこれからは、人をマネジメントすることは、 仕事をマーケティングすることを意味するようになる。 マーケティングの出発点は、組織が何を望むかではない。 相手が何を望むか、相手にとっての価値は何か、目的は何か、成果は何かである。 つまり、適用すべきはX理論でもY理論でもなく、いかなる管理論でもないということである。

このように、「相手(顧客)が望むもの」を成果と定義しています。

ドラッカーはなぜこのようなことを言ってるのでしょうか。 それは、多くの人が、成果に結び付くことのない雑用1に忙殺されているからです。 それを止めるために、「それは顧客のためになっているか」を考えるのが「成果主義」です。


  1. 7つの習慣における第三領域のことです。 ↩︎

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