辞書: 目標による管理(MBO)

投稿日:

目標による管理(MBO)とは

ドラッカーによるマネジメント手法です。

誤解が多い

MBOは広く広まりましたが、一方で誤解が多く、間違って使われているのも事実です。

専門化した仕事にひそむ危険性

現代の経営(上) No.2297より。

マネジメントのセミナーでよく取り上げられる話に、何をしているのかを聞かれた三人の石工の話がある。 一人は「これで食べている」と答え、一人は「国で一番の仕事をしている」と答え、 一人は「教会を建てている」と答えたという。

もちろん、第三の男があるべき姿である。 第一の男は、一応の仕事をする。報酬に見合った仕事をする。

問題は第二の男である。職人気質は重要である。 それなくして立派な仕事はありえない。事実、いかなる組織も、 そこに働く者に最高の腕を要求しないかぎり堕落する。しかし一流の職人や専門家には、 単に石を磨いたり、瑣末な脚注を集めたりしているにすぎないにもかかわらず、 何かを成し遂げていると思い込む危険がある。 一流の腕は確かに重視しなければならないが、 それは常に全体のニーズとの関連においてでなければならない。

ここでは、専門家がそのスキル自体が価値があると思いこんでしまい、 ビジネスに役立っているかどうかを軽視することを諌めています。

ただ逆に、ビジネスができればスキルは気にしないという人たちも諌めています。

重要なのは「共通の目標」、先程の例では「教会を立てる」ということです。

同じく、No.2360には以下のように書かれています。

すなわち、高度のスキルを求めながら、 スキルの獲得そのものを目的とさせることなく、 それを事業全体の目標に向けての手段とさせる必要がある。

チームワークを重視する

社長から工場の現場管理者や事務主任にいたる全員が、明確な目標をもつ必要がある。 それらの目標は、自らの部門が生み出すべき成果を明らかにする必要がある。 他の部門の目標達成を助けるために、自らや自らの部門が期待されている貢献を明らかにする必要がある。 そして、自らの目標を達成するうえで、 他の部門からいかなる貢献を期待できるかを明らかにしなければならない。

言い換えるならば、最初の段階から、チームワークとチームの成果を重視しなければならない。 もちろん、そのような目標は企業全体の目標から導かなければならない。

事業全体の目標を共通のものとしている以上、 社員や部門間で争うのは間違っている。 チームの成果を重視しなければならない。

参考文献