辞書: 試み

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試みとは

今までやってなかったことをやってみることです。 「挑戦」も含みますが、どちらかといえば小さいことをイメージしています。

挑戦に罰を与えてはならない

ドラッカーはイノベーションと企業家精神以下のように書いています。 No.2528あたりより(Kindle)

イノベーションを担当する人たちは、たとえ失敗しても元の仕事、 元の報酬に戻れるようにしておくべきである。失敗をほめる必要はなくとも、 挑戦に罰を与えてはならない。

挑戦しない者は放っておく

ドラッカーは逆に、挑戦をしない人には厳しいです。

非営利組織の経営 p47より。 ハーマン・ミラー社などを率いたマックス・ドプリー氏との対話です1

ドラッカー 失敗は多くてもよい。

ドプリー はい。組織としては失敗そのものは問題ではないでしょう。 もっと失敗を許せなければならないと思います。 失敗そのものはたいしたことはありません。教育の一環です。 多くを要求すれば、仕事の質は向上し人間の質も向上します。

ドラッカー ただし条件が二つあります。一つは失敗しても第二のチャンス、 第三のチャンスを与えることです。挑戦してこない者は放っておきましょう。

これ正直「えーっ」と思いました。 対談とは言え、特定のタイプの人に対して冷たい言動をするのは見たことなかったので2

同じく非営利組織の経営 p168より。

挑戦する者には機会を与えることが原則である。挑戦しない者は放っておいてよい。

同じく非営利組織の経営 p169より。

ミッションを感じることこそが非営利組織の活力の源泉である。 しかし、そこには困った問題もついてくる。成果をあげられない者を抱え込むという問題である。 できない者もまた戦友である。そのため、仕事ができなくとも辞めさせることには二の足を踏んでしまう。

この問題についてはここでもう一度シンプルな原則を繰り返させていただきたい。 挑戦してくるならばチャンスを与えるべきである。 挑戦してこないなら辞めてもらうべきである。

失敗したことのない人を昇進させてはいけない

ドラッカーはまた、失敗したことのない人を昇進させてはならないと書いています。

現代の経営(上)No.2755(Kindle)より

一度も間違いをしたことのない者、それも大きな間違いをしたことのない者を トップマネジメントの仕事につかせてはならない。 間違いをしたことのない者は凡庸である。そのうえ、いかにして間違いを発見し、 いかにしてそれを早く直すかを知らない。

こんな本も

自分はまだ読んでないですが、マックス・デプリーの著書で、 ドラッカーが絶賛している本を見つけたので載せておきます。

参考文献


  1. 本の中では「マックス・ドプリー」となっていますが、通常は「マックス・デプリー」と書かれるようです。 ↩︎

  2. 「国」に対してなら「断絶の時代」にアルゼンチンについて冷たい態度を取ったことがあります。 ↩︎