辞書: 甘言

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甘言とは

相手を騙すための甘い言葉です。

誰もが利益を増やすという矛盾

ドラッカーの「経済人」の終わりp16「第1章 反ファシズム陣営の幻想」に、ナチスのゲッベルスが行った、 矛盾した公約について書かれています。 (漢数字→アラビア数字のみ変更)

大衆は、ヒトラーの公約の一つひとつが互いに矛盾することを知っていた。 教会を罵倒しつつ、一方で教会そのものを救うと公約しても納得する人はいるかもしれない。 しかし、100年に及ぶ協同組合の経験をもつ農民や、 60年に及ぶ労働組合運動と団体交渉の経験をもつ労働者が、 例えばゲッベルスが1932年のある演説で行ったような、 明らかに矛盾する公約に気づかないはずはない。

彼はそのとき、「農民は穀物の値上げ、労働者はパンの値下げ、 パン屋と食品店はより大きな利益を獲得する」といった。

なお、原文だと以下のように書かれています。

the farmer would receive more for his grain, the worker pay less for his bread, and the baker and grocer have a higher wholesale and retail margin.

生産性は自動的には上がらない

もちろん、生産性を上げれば誰もが得することは可能です。 しかし、生産性を上げるためには、どこか妥協する、 もしくは、不断の努力によって生産性を上げるしかありません。 「◯◯さえ導入すれば生産性は上がる」という甘い考えはさっさと捨てましょう1

参考文献


  1. 例えば「ITを導入すれば生産性が上がる」と考えるはダメで、「生産性を上げるためにITを導入する」という考え方はありです。 ↩︎