辞書: 改善

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改善とは

物事をより良くすることです。 日本の製造業で戦略的に行われているもの(継続的改善)については、 海外でも通用するため、カイゼンとカタカナで書かれることがあります。

改善とイノベーションは車の両輪

ドラッカーは改善について、 「ポスト資本主義社会」p81「第2章 組織社会の到来」にて以下のように述べています。

第一に、組織はその行うことすべてについて、 絶えざる改善、日本語でいうカイゼンを行わなければならない。 歴史上のあらゆる芸術家が、 カイゼンすなわち体系的かつ継続的な自己改善を行ってきた。 しかし今日までのところ、日本だけが、 おそらく禅の影響だろうが、企業組織の日常の活動と仕事をカイゼンしている。 カイゼンの目的は、製品やサービスを改善して二、三年後にはまったく 新しい製品やサービスにしてしまうことである。

ドラッカーは元々日本ひいきで、 この本が出たのが1993年なのもありますが、 継続的な改善、特に労働者が関わることについては、 製造業以外ではほとんど見られません。 「なぜ製造業でできることが他の業種ではできないのか?」というのが、 自分の中の課題です。

イノベーションを行うための前提条件

ドラッカーはこれとは別に、イノベーションを行うためには 体系的廃棄、継続的改善、成功の追求が必要と書いています。

明日を支配するもの p95より

チェンジ・リーダーたるための第四の条件がイノベーションである。 これこそ今日最も注目されている分野である。 しかしこれは、チェンジ・リーダーたるための条件としては、最も重要なものではない。 体系的廃棄、継続的改善、成功の追求の仕組みのほうが、意味のある場合が多い。 むしろそれらの仕組みなくしては、いかなる組織もイノベーションを行なうことはできない。

ドラッカーはこの直後に、イノベーションを行えない理由を書いています。

チェンジ・リーダーはイノベーションを行なう。 しかし、体系的なイノベーションの仕組みを必要とするのは、 イノベーションそのものよりも、チェンジ・リーダーたらんとする姿勢を組織中に浸透させるためである。 組織の隅々にいたるまで、変化を機会とみるようにさせるためである。

よく見られるのが、残業時間の削減などの効率化よりもイノベーションを追求すべきという考え方です。

この考え方は完全に間違っています。 なぜなら、目の前のことをこなすことだけで精一杯の組織では「新しいことを始める=残業時間が増える」でしかないからです。

徹底的な効率化によって、変化するのが当たり前という組織風土こそがイノベーションを行なうための近道です。

この「体系的廃棄」「継続的改善」「成功の追求」「イノベーション」の4つを図にしてみました。 正確ではありませんが、雰囲気はつかめるかと思います。

ゴミ屋敷では新しいものは生まれない

ドラッカーがわざわざ「おそらくの影響だろうが」というのは、 おそらく、「シンプルなところ」をイメージしてるのかと思います。 「改善=片付け」をしてシンプルな生活にしてこそ、 新しいものが生まれる余力が生まれます。

問題の改善方法

問題意識を感じたときに「効率的に良い状況に変える」ためのアクションリスト

個人的に必要だなと思ったのは以下の考え方。

  • 提案先を考える
  • 他の人にやってほしいと思う行動を、自分がやる

自分について言えば「解決案も提示」「自分が率先してやる」というのはできていると思います。

プロセス改善は、人間心理への洞察が必要な奥深い仕事

改善がうまくいくためには信頼されることが大事。 あと地道な積み重ねが必要。

参考文献